【あやめ】「私の胸、どう? 大きい方だと思うわ。よく男子の視線を感じるもの……」

【御代】「お、大きいと思います」

【あやめ】「大きい胸は好み?」

好みも何も、オスの本能が勝手に反応してしまう。

【あやめ】「触れていいのよ。これは、私が望んだ交換条件……私とあなたの契約なんだもの」

豊かなバストがぷるりと揺れて、俺を誘う。

【あやめ】「この身体であなたの欲望を受け止めれば、私はそれで満足なの」

【御代】「白妙先輩……」

【あやめ】「あやめよ、そう呼んで」

【御代】「……あやめ先輩、指が」

先が赤いもの……血で濡れていることに、遅まきながら気付いて。

【あやめ】「そうだったわ。さっき、したの」

【あやめ】「あなたは私の指を噛み破ることもできないと思ったから、自分でしたのよ」

だから、あんなに唇が赤いのか……。

【あやめ】「これは契約だから、証が必要でしょう」

先輩が俺の制服をはだけさせて、血で濡れた指で胸に触れてくる。

指は冷たくて……。

【御代】「あやめ先輩、何を……」

【あやめ】「契約よ。知らない? 血判って」

先輩の瞳に、ぬらりとした光が宿る。

【あやめ】「私の名前を書くのも芸がないわね……」

先輩の指が俺の胸に何かを書いたのはわかった。

胸が赤く濡れたから。

【あやめ】「これがあなたの本質かしら?」

【御代】「……先輩、なんて」

【あやめ】「『虚』と書いたわ。あなたは空っぽなのでしょう?」

先輩はもう、俺に触れることに躊躇いがない。

【あやめ】「私は本当のあなたを理解して、あなたのなくしたものを、ほんのひと時……埋めてあげる」