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【千鶴】「――ということで、わたくしたちは恋愛禁止委員会を立ち上げることにしました」

【千鶴】「恋愛という甘美な響きを持って近づく、羊の皮を被った狼に抗うために、わたくし達は団結しなければならないのです!」

クラスがどよめく。特に女子の中には千鶴様ーとか、お姉さまーとか叫んでいる者もいる。

【千鶴】「もちろん全ての男性諸氏が狼などと言うつもりはありません。むしろ紳士である方のほうが大勢でしょう」

【千鶴】「ですが、この格差社会において平等などありえない。ただ眺めているだけでは、可憐な花は無残にも摘み取られていくばかり」

【千鶴】「ならば、守りなさい! 自らの手で! 一部の特権階級に屈することなく! 摘まれた花は二度と戻ってこないのですから!」

更にどよめきが増していく。誰だ、汚物は消毒だーとか叫んでるやつ。ちょっと待て、なんで俺を見る!?

【千鶴】「恋愛禁止委員会の理念は、今後一切の男女の交際を禁止すると共に、学生の本分たる学業に心血を注ぐことにあります」

【千鶴】「先立っては、まずこのクラスから。将来的には学園全体に活動範囲を広げ、城羽鳥学園を健全で模範的な学生達のよすがとするべく行動します」

【千鶴】「つらく長い戦いとなるでしょう。ですが、この天堂千鶴が城羽鳥学園学生会の会長に就任した暁には、必ずや実現してみせることをお約束します」

拍手喝采。女子も男子も一緒くたに、次代を担うリーダーの姿を幻視している。

【つぐみ】「千鶴、あたしも協力するわ」

【風香】「その話乗ったーと、風香は便乗するですー」

【琴子】「……私なんかじゃ」

【刹】「計画通り」

こうして、恋愛禁止委員会は結成された。